和ろうそくの灯りが誘う幽玄の世界。冬のお茶会「夜咄(よばなし)」の魅力と道具たち
12月も近づき、すっかり夜が長くなりました。
ふと窓の外に目をやると、夕方の薄暗さから
すぐに夜の静けさが訪れ、灯る街の明かりが美しさを増していきます。
夜の灯りの美しさと言いますと、冬の情緒あふれるお茶会、「夜咄」の時期がやってまいりました。
「夜咄」とは、12月〜2月ごろに行われるお茶会です。電気を使わず、和ろうそくや手燭 、小燈といった伝統的な灯りだけで行われます。
薄明かりの中で、聴覚や嗅覚など他の感覚が鋭くなり、お茶の香りや、炭の爆ぜる音、水が注がれる音などをより深く味わうことができます。
私個人としましては
夜咄に参加できたことはありませんが、
その写真や映像を拝見したとき揺れる明かりと情景が幽玄で美しく、昼間のお茶会との違いがとても印象的だと感じました。
また、夜咄に出られた方の感想として、「灯りと影のゆらぎなど、日常では味わえない趣が本当に素晴らしかった」とありました。
一度体験すると、大きく心動く経験となる方も多いようです。
夜咄に使われるお道具としては、主に2種類あります。
1つ目に、灯燭具(明かりの道具)です。
人工的な明かりのない夜のお茶室で、
灯燭具によって、ほのかな橙色の光が揺らぎ、幻想的な空間を創り出します。
また、亭主と正客が無言で手燭を交換する「迎えつけ」は、心を通わせる特に大切な場面とされています。
当店では手燭のみならず
膳燭、小灯、短檠・竹檠 などの灯燭具も取り扱っております。ぜひお好みのものをお選びください。
2つ目に、冬のお茶会で使用される茶道具です。
お道具の特徴として、
冬の寒さや、揺れる灯りだけの部屋のほの暗さ、静けさに調和するような、控えめで趣深いものが好まれるとされています。
例えば、黒や濃い茶、朱など落ち着いた色合いは色を深く見せたり、
無地や素朴な質感のものは陰影を豊かにし、侘びの雰囲気を強調できます。
そのようなお品も多数取り扱いがございますので、ゆっくりとお探しくださいませ。
どうか冬の夜のお茶会が、夜に映える趣深いお品により、心温まるものとなりますように。



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