【腸活で話題】阿波晩茶を徹底解説!ますや雲湧堂
近年、腸内環境を整える「腸活」が注目されています。
ダイエット、美容、免疫力の向上、さらに脳にまで影響すると言われています。
そこで徳島県の一部地域だけで造られている阿波晩茶が、近年注目を浴びております。
阿波晩茶は日本茶として珍しい微生物の力で乳酸発酵させた『後発酵茶』で、植物性乳酸菌を豊富に含んでいるため、腸内環境を整える手助けをしてくれるのです。
注目を浴びている阿波晩茶、普通の日本茶と何が違うのか、長年販売を続けているますや雲湧堂が徹底解説します!
目次
【阿波晩茶とは?】徳島に伝わる幻のお茶
阿波晩茶は徳島県の上勝町や那賀町相生(あいおい)などで少量造られている、珍しいお茶です。(当店では相生晩茶を取り扱っております。)
その一番の特徴は、なんといっても乳酸発酵していること。そのため、ほんのりとした酸味と、後味がとてもスッキリした味わいが楽しめます。香ばしい香りで、リラックスしたい時にもぴったりです。
また、カフェインがほとんど含まれないため、就寝前はもちろん、妊婦さんやお子様も安心してお飲みいただけます。香川では古くから、白湯に晩茶の葉を一枚浮かべ、沐浴後の赤ちゃんに与える「赤ちゃん晩茶」としても親しまれてきました。

【釜で煮て、漬けて、天日干し。阿波晩茶の伝統製法】
阿波晩茶の作り方は、一般的な緑茶(蒸す→揉む→乾燥)とは全く異なります。
煮る → 漬ける(乳酸発酵) → 乾燥(天日干し)
茶葉は自生している木から収穫し、乾燥は天日干しし、しっかりと乾燥させます。
出来上がりは七月の中頃からが本格的なシーズンとなり、普通の日本茶よりもシーズンが遅いです。
天日干しで仕上げるため、収穫期である夏に雨が続くとお茶が完成しない、まさにお天道様まかせのお茶なのです。
多くが手作業で、非常に手間のかかる工程で作られます。

【新茶の訪れ「春晩茶」】
少量、春先に収穫される「春晩茶」というものがあります。
夏の晩茶よりも少し茶葉の水分量が多く、ずっしりとしたお晩茶です。
春晩茶は水出しで飲むとさっぱりとしてとっても美味しいですよ。
【農家ごとに味が違う、一期一会の楽しみ】
阿波晩茶の製法はなんと農家さん単位で異なります。
煮る時間、漬ける期間、細かいことを言うと漬ける桶も異なります。
木の桶で漬ける農家さんが多かったのですが、今は木桶の造り手がいなくなってしまってポリタンクで漬ける方も増えているそうです。
当店が見学にいった際は、とても大きな大谷焼の壷で漬けていました。
(大谷焼は徳島県の焼き物です。)
農家さん単位で作り方も違いますので、風味や味わいも異なります。
お気に入りの味を探すのも、阿波晩茶を楽しむ醍醐味の一つかもしれませんね。
【阿波晩茶は後発酵茶!発酵茶と何が違うの?】
お茶の世界には「発酵」という言葉がよく登場しますが、実はこれには大きく分けて2種類あることをご存知でしょうか?この違いを知ることが、阿波晩茶の本当の魅力を理解するカギになります。
1.紅茶や烏龍茶の「酵素発酵」
まず、紅茶や烏龍茶づくりで行われる「発酵」。
これは、お茶の葉自身が持っている酸化酵素を働かせ成分を変化させることを指します。
緑茶は、収穫後すぐに蒸してこの酸化酵素の働きを止めてしまうため、「不発酵茶」と呼ばれます。
熱を加えることで、酸化酵素の動きを止めるのです。
2.阿波晩茶の「微生物発酵」
一方、阿波晩茶の発酵は全く違います。
まず釜で茶葉を煮て、熱を加えることで酸化酵素の動きを止めます。
ここからが本番です。その茶葉を樽に漬け込み、「微生物(乳酸菌)」の力を借りてじっくりと乳酸発酵させます。
ヨーグルトやキムチ、納豆や味噌など、いわゆる発酵食品と同じ原理で発酵します。
この発酵によって、阿波晩茶ならではの優しい味わいとすっきりとした後味が生まれ、私達の腸に嬉しい成分が育まれるのです。
紅茶・烏龍茶の「発酵」 | 阿波晩茶の「後発酵」 | |
主役 | 茶葉が持つ酵素 | 微生物(乳酸菌など) |
現象 | 酸化に近い変化 | 漬物やヨーグルトと同じ発酵 |
分類 | 発酵茶・半発酵茶 | 後発酵茶 |
【阿波晩茶?それとも阿波番茶?】
阿波番茶と阿波晩茶、「ばんちゃ」の漢字が違いますが何が違うのか、よくお問合せをいただきます。
結論から言うと、全く同じです。
当店では長らく「阿波番茶」として販売しておりました。
当店のある香川県では、「番茶」と一言言えば阿波番茶のことを指していたのです。
一般的に番茶と言えば硬くなってしまった茶葉や、一番茶ではなく二番茶、三番茶などのことを総称して「番茶」と呼びます。
しかし阿波番茶はそういったお茶とは異なります。
テレビで阿波番茶が紹介され、全国的に有名になった際、そういった一般的な「番茶」と区別するよう「阿波晩茶」という表記が一般的になりました。
【まとめ】先人の知恵が詰まった、体をいたわる一杯
非常に珍しい特別なお茶、阿波晩茶の魅力をご紹介しました。
・後発酵による植物性乳酸菌で、毎日のスッキリを応援
・ノンカフェインだから、時間も人も選ばない
・ほんのり酸味のある優しい味わいで、心も体もほっと一息
・農家さんごとに味が違う、自分だけの「お気に入り」を探す楽しみ
独特なこのお茶の製法は、国の重要無形民俗文化財にも指定されています。
近年は健康への影響で注目されていますが、この製法は少しでも美味しいお茶をつくれるようにと、先人の人たちの経験と知恵で培われたものです。
一つひとつ、とても手間と時間をかけて作られる阿波晩茶、もし興味が湧いたら是非お試しください。
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